観戦記

アリーナ観戦、テレビ観戦したものをブログに書き留めておきます

桜花学園vs岐阜女子 #ウィンターカップ2015女子決勝

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桜花学園vs岐阜女子の決勝戦はインターハイ、国体と合わせて今年3度目の対決。高校生にとっては最後の大舞台。中学生にとっては憧れの場所。3連覇を狙うチームと初優勝を目指すチーム。どちらも負けられない戦いである。


ティップオフから緊張で硬くなったスコアレスゲームが2分も続く。両チームともディフェンスには相当の時間を使ってトレーニングしているのが分かる。相手のオフェンスをフリーにさせず、アウトサイドからのシュートを許さない。桜花学園が得点と記録したのは開始4分30秒を過ぎてからである。


相手をロースコアに追い込む事はそのまま勝利に直結する。これはどのゲームにおいても共通である。ただし、自分たちはロースコアに抑えこまれないように得点を重ねる必要があるが、このゲームの前半に限っては相手の良さを消し合う事に集中し、オフェンスのリズムはどちらもうまく作れていなかった。


前半で両チームに3ポイントの得点がなかったのも、リズムが生まれにくかった原因だろう。もちろん、ディフェンスする側の狙いがうまく機能したとも言える。前半はどちらかと言えば桜花ペース。ただし、前半で馬瓜選手のファールが3つになったのは大きくゲームに影響した。ファトー選手にポジションを与えず、ディフェンスを続ける事がいかに大変かが良く分かるところでもある。


後半に入ると3ポイントも決まり始め、緊張していたゲームもほぐれてくる。見ている方も楽しくなって来たのは後半から。後半は朗らかに岐阜女子ペース。得点差に大きな違いは出なかったが、自分たちのペースを保てていたのは、岐阜女子の方だろう。実際に、人もボールも桜花よりも動いていた。


第4ピリオドは、桜花学園の守備は依然として崩されてはいなかったが、攻撃の際に足が止まり始め単調になっていた。それでも、逆転を許さず均衡を保ち続けたのはさすがと言うべきだろう。桜花学園が1点リードを守りながらも、残り1分45秒で放たれた田中選手の逆転3ポイントが勝負の分かれ目だった。1分以上両チーム共に得点がなかった場面で、次の得点を奪ったチームが勝利を呼び込む流れが来ていたからである。均衡を破る逆転の3ポイントシュートを落ち着いて決められたのは、やはり自分たちのペースであったからだろう。


試合後のインタビューで岐阜女子の選手たちは「めっちゃうれしい」を繰り返した。初優勝という感動を伝えるには短い言葉でも十分だった。相手が桜花学園だからこそ、素直にこの言葉が出てきたに違いない。高校女子バスケットにおいて絶対王者がいまなお桜花学園である事に異論はないだろう。桜花学園が勝ち続けて来た事で、すべてのチームが目標を見失う事なくハードな練習を繰り返す事が出来たとも言える。


2020年の東京オリンピックにはこの大会に出場していた選手たちもきっと活躍しているだろう。日本代表女子は来年のリオオリンピック出場を決め、世界との戦いももう始まっている。ここからまた新しいスタートが始まる。

 

岐阜女子高校、初優勝おめでとうございます。